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ARGYLE DESIGN - Stories through Design.

ニセコノーザンリゾート・アンヌプリ|Meiji Shipping Group 明治海運グループ|Book Selection|海運・ホテル業|東京都目黒区 北海道ニセコ

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「北のリゾートホテルのリニューアルに伴い、ライブラリー・バーを併設したいので、ヴィジュアル的に気の利いた古書籍を五十冊ほど用意していただきたい。」

ある年の師走、お付き合いの長いあるクライアントの担当Fさんから、こんな風な愉しい仕事のオファーをいただきました。モダンで快適な北欧ライクなノーザンリゾートで過ごす国際色豊かなゲストを想い浮かべながら、ヨーロッパで手に入れたアーガイルの書架からいくつかの書籍をピックアップ、一方、神田神保町のお気に入りの古書籍店を徘徊し、一冊一冊ていねいにセレクトをしました。

いまも手元には、その時揃えた古書籍のアーカイヴシートがあります。ライフカルチャー誌、絵本、写真集、デザイン/ヴィジュアル書、図鑑、詩集、ペーパーバッグ、建築/インテリア書、ヴィンテージ地図、音楽書... コンセプトと予算を守りながらも、個人的な趣味趣向のスパイスが効いた全65冊のセレクションとなりました。そして、ホテルの再オープンに間に合うように、ライブラリーバー用蔵書として無事送り届けてから、早いものでかれこれ五年という月日が経とうとしています。

そして、三月のニセコ、このホテルへ初めて訪れる機会を得ました。チェックインを済ませ、脇目もふらずライブラリーへ向かいました。ほとんど残ってないだろうという予想に反し、多くの蔵書群が壁面に奇麗に取り付けられた木書棚にありました。古い友人と五年ぶりに再会したような気持ちで、ペラペラと頁を捲ります。経年のインクと紙の独特の匂いが、寒空の下、大きなトートバッグを両手にぶら下げながら行ったり来たり彷徨った靖国通りの記憶を鮮やかに甦えらせてくれました。

ただ残念だったことは、希少本ゆえ購入を躊躇うほど高価だった「Gyldendals Røde Ordbøger, Dansk - Engelsk(デンマーク語 - 英)」と「Dictionary of Scandinavian Literature」、「Svenska Bokförlagets Ordböcker, Svensk - Engelsk(スウェーデン語 - 英語)」の三冊のヴィンテージ辞書と、ベルリンのあちらこちらの蚤の市で拾い集めた Piatti のイラストが描かれた btv社のペーパーバッグ群がひとつもなかったこと。そして、(その当時出版され、そっと忍ばせておいた)ぼくが撮った写真が装丁を飾る独語の新刊ノベル「Ein Fisch geht an Land / Leopold Federmair」が、何処を探しても見つけられなかったこと。
でも、このライブラリーバーでひとときを過ごし、それらの書籍になにかしらの価値を見出したスカンジナヴィアやドイツから訪れたゲストたちが、各々の国にそれぞれを持ち帰ったのだろうと想像すると、なんだかすこしだけ嬉しい気もしてきます。

そして、末筆ながら滞在中たいへんお世話になったコンシェルジェのWさんに深く御礼を申し上げます。とても快適に愉しく過ごすことができました。もっとゆっくりお話ができれば良かったのですが。
そしてこんなにも愉しい仕事を100%おまかせでオファーを投げてくれた担当Fさん、いまは異動でオランダの地に居ながらも、今回たくさんのご便宜を図っていただいたこと、あらためて深く感謝いたします。花咲く春のアムステルダムにもそう遠くない日に訪れたい、そう願って止みません。

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Exhibition

Exhibition "6th Fruit Labels Traveler" Art and Design Gallery "The Hours", Miyazaki

色とりどりの果物は軽やかに国境や赤道を超える。
港から港へ。マーケットから食卓へ。
海の向こうからやってくるフルーツシールはいつも旅している ––––


バナナやオレンジ、レモンに貼られたあのポップな「フルーツシール」。いつの頃からか財布や手帳にペタペタと貼りはじめ、気がつけば2,200枚近い数になっていました。
吉本 宏と宮良当明の小さなコレクションを一堂に集めた世界でも初めて? のフルーツシール展を開催します。

2016年 東京渋谷パルコ・大阪中之島フェスティバルプラザのふたつの DELFONICS GALLERY を皮切りに、2017年 姫路 HUMMOCK Cafe、2018年 藤沢辻堂 Toasted、2019年 鎌倉由比ガ浜 CORNO でささやかに好評を博した同展の第6回目のエキシビジョンとなります。
ふたりがヨーロッパや南米のマーケットでコツコツと収穫したキュートなシールのコレクション展示をはじめ、新作オリジナルデザインアイテムを限定販売します。

The Hours 主宰、杉 怜くん(Scenery of Design)とは、長く "高級な友情" を育んできました。本展におけるフルーツシールのアート&デザイン面のクローズアップは、彼との共同作業を通して生まれ、新しい展示の在り方を形づくるものとなりました。当ギャラリーの「こけら落とし」に相応しいフレッシュで活き活きとした展覧会になることを願っています。

九州初上陸の「旅するフルーツシールのデザイン展」、ちょっぴりレトロでカラフルな、グラフィックデザインの宝庫ともいえる〈小さきもの〉の世界をつぶさにお愉しみください。

*終了いたしました。
fruit labels traveler|calendar “Bienvenidos a Argentina”

fruit labels traveler|calendar “Bienvenidos a Argentina”

Fruit labels traveler "Calendar"

アルゼンチンの旅で知り合ったフェルナンドが案内してくれた
ブエノスアイレスのアンティーク・マーケット。
アルゼンチンのフォルクローレやロックを扱うレコードショップに、
フルーティーなドリップを淹れてくれるコーヒーショップを巡り、
その隣の店のカウンターで熱々のエンパナーダを頬張る。

もちろんフルーツショップにはたくさんのフルーツシールが。
同じくフルーツシールを集めているフェルナンドは
ちょうどイタリア旅行から帰ってきたところだといって、
手帳に貼ってあったイタリアのシールをプレゼントしてくれた。

こうして旅を経てできあがった Fruit Labels Calendar。


全国各ショップ/ウェブストアにて発売開始
*完売いたしました。