やさしい ○。
当事者の等身大の態度と眼差し。
障がい者支援の特定非営利活動法人「WEL'S ウェルズ」(東京都千代田区)のウェブサイト・デザインを、旧サイトに引き続き担当をしました。はやいもので10年に渡る長期フォローとなり、その間、ロゴシンボル(CI コーポレートアイデンティティ)をはじめ、名刺、パンフレットなどのベーシック・アプリケーションのデザインを手掛け、継続的なプロジェクトとして続いています。
ロゴシンボルの一部を担っている橙と赤の「○ 正円」のオブジェクトは、ご覧の通り、それは「目」「顔」「気持ち」を現し、「ひと」を意味するメタファーにほかなりません。過去の制作アイテムのなかでも多く活用してきたWEL'Sの代名詞である「正円」のモチーフを、今回のウェブ・リニューアルでも存分に活かしました。
色とりどりの「正円」は、ページの読み込みごとに、場所を変え、間隔を変え、表情を変え、障がい者の方々を見守るようにやさしく浮かび上がります。このオリジナルな仕組みは、新しいウェブサイトに生き生きとした彩りを与え、WEL'Sらしい若々しい活力を生み出しました。
一方、このウェブデザインでは、ありものの写真(ストックフォト)を一切用いていません。また、プロフェッショナル・カメラマンの手によって撮影された写真もありません。ウェブサイトに登場する全ての写真は、WEL'Sスタッフのみなさんが、障がいを持った当事者の方々の普段の表情を、無作為で撮り貯めていたもの。撮影者と被写体との健やかな関係性は、いつだって正直で穏やかな写真を残します。おもねっていない写真のなかにたしかに見てとれる当事者のみなさんの等身大の態度と眼差しの写象の表出は、今回のウェブサイトデザインのハイライトとひとつ言えるのではないでしょうか。
WEL'Sのような、自らの事業、自らの働き方を通して社会に横たわる課題や歪みを解決して行こうとする社会的企業や社会的起業家の仕事のあり方に大きく関心が集まるようになって久しく経ちます。社会にはさまざまな仕事のかたちやアティテュードがあることを教示してくれたのは、WEL'Sや多摩棕櫚亭協会をはじめ、多くの団体、法人、企業とスタッフのみなさんでした。
デザインとは何なのか、何に役立つのものなのか、デザインで何を変えられるのか、という問い掛けに、改めて対峙するなかでのデザインワークとなりました。
WEL'S | ウェブデザイン CIコーポレートアイデンティティ ブランディング | 東京都千代田区
https://www.wels.jp/
Credit
client: 特定非営利活動法人ウェルズ
city: 東京都千代田区
art direction and design: masaaki miyara
edit: argyle design and hiromi kawaguchi
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