元NHKアナウンサーらが繰り広げる朗読会「語りと音楽」"大人のためのガリバー旅行記"の「ロゴ」「ポスター」「フライヤー」「公演プログラム」のデザインを担当しました。お近くにお住まいの方はぜひお立ち寄りいただければ嬉しいです。この後、長崎(ブリックホール)などの開催も決定しており、引き続き、グラフィックスを担当しています。
ことばの杜|朗読会〈大人のための〉ガリバー旅行記 〜語りと音楽 [神戸/長崎公演 2種]
client: ことばの杜
city: 東京都渋谷区
art direction: miyara masaaki
design: miyara masaaki / kawaguchi hiromi
notes: poster program flyer logo VI ポスター プログラム フライヤー タイトルロゴ
「大人のためのガリバー旅行記」
J.Swift 作(原 民喜訳)より。壮大な空想譚に仕込まれた「時代と社会と人間」への辛辣な風刺、毒ある諧謔。≪大人のあなた≫だけがガリバーの苦悩を解読できる。朗読と音楽のcollaborationが演出する、空想を超えた不思議な世界。
神戸朝日ホール(神戸元町)
〒650-0035 神戸市中央区浪花町59番地 [map]
http://www.kobeasahihall.co.jp/schedule/detail.php?id=187
■日時 2011年10月28日(金)
【午後の部】 開場/13:30 開演/14:00 終了/16:00
【夜の部】 開場/18:00 開演/18:30 終了/20:30
■料金 ¥4,200(税込・全席指定)
■出演 山根基世、松平定知、広瀬修子、宮本隆治、好本惠(元NHKアナウンサー)
主催:ことばの杜 チャンネル銀河
後援: J:COM 財団法人 神戸市民文化振興財団
協力:神戸風月堂
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長崎ブリックホール大ホール
http://brickhall.jp/
■日時 2011年12月8日(木)18:30開演(18:00開場)
■料金 ¥3,800(税込)
■出演 山根基世、松平定知、広瀬修子、宮本隆治、好本惠(元NHKアナウンサー)
主催:ことばの杜
協賛:チャンネル銀河
後援:長崎ケーブルメディア 長崎新聞
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ガリバーと三浦按針
『ガリヴァー旅行記』(福音館書店)の47ページに、ガリバーの日本上陸に関する記述がある。「1709年5月6日・・(中略)・・6日目に私を日本まで乗せて行ってくれる船が見つかった。15日間航海したのち、私たちは日本の南東部にあるザモスキという小さな港町に上陸した。町は長い腕のような格好で北にのびている細い湾の西の岸にあり、湾の北西部に当たるところには、首都のエドがあった」。次のページには、ガリバーが「ナンガサク」からイギリスに帰ったという記述もある。
「エド」は「江戸」、「ナンガサク」は「長崎」で間違いないだろうが、さあ、上陸地点の「ザモスキ」はどこなのか。スウィフトはこの地名をXamoschi と書いた。これに関して私は随分前に『暮らしの手帖』で「時田八千代さん」とおっしゃる方が書かれたものを読んだことがある。要点とか名前だけをメモしたので、その全文はいま手元にないのだけれど、要するに「時田さん」は、「ザモスキ」は「観音崎だ」とおっしゃるのである。その根拠はこうだ。Kannonsaki とXamoschi。「KとX」「nn とm」「k とh」。似ているじゃありませんか、とおっしゃるのである。さらに「時田さん」は、へそ曲がりのスウィフトが「わざと」間違えたかも、とおっしゃり、加えて、望郷の念に駆られた三浦按針がイギリスの家族に宛てた手紙の入った書簡集がスウィフトの書架にあった、とも書いておられるのである。
湾の北西部に「エド」がある「長い腕のような恰好で北にのびている細い湾」は東京湾、「日本の南東部」は関東地方。そして、三浦按針が家康から拝領した領地は、神奈川県の三浦地方、彼の苗字はそれに由来する。名前の「按針」は「航海(士)」の意味。三浦按針はウイリアム・アダムス。関ヶ原の戦いの半年前、1600年3月、大分県沖の黒島沖を漂流していたオランダの商船・リーフデ号の航海士であった。按針の同僚で、ともに外交顧問として家康に仕え、その覚え、余りにめでたいがゆえに、按針とともに帰化を命じられた航海士に、日本名・耶楊子(ヤン・ヨーステン)がいる。彼の住まいがあったことから、その名前に因んで付けられたのが(東京駅の)八重洲(口)である。
三浦按針が死んだのは1620年、ガリバーが来日したのは1709年だから、ガリバーは按針だったというのはあり得ない話だが、そのモデル説はかくなる理由で、もう一人の謎のドイツ人・ケンベル説と並んで根強いのである。
松平定知
※プログラムからの引用